チベット仏教成就者たちの聖典
『道次第・解脱荘厳』待望の全訳!「解脱の宝飾」
インドで生まれた仏教を集大成し、これを伝えるチベット仏教。
チベット出身の大谷大学ツルティム・ケサン教授と藤仲孝司氏が、
仏教に学ぶすべての人々に贈る原典からの翻訳書。
A5判/452頁/ソフトカバー
定価3200円(本体3048+税)
著者 ガンポパ
訳者 大谷大学教授
ツルティム・ケサン
藤仲 孝司
アティシャの「道次第(ラムリム)」とミラレパの「大印契(マハームドラー)」が合流。
チベットで成就者を数多く育てたカギュ派最高の聖典。チベット仏教は「ラマ教」と俗称され、神秘的で特殊な仏教と思われてきており、その中心となる大乗仏教に共通する普遍的な慈悲と智恵の教えが、広く一般に紹介されてはいません。本書は、チベット仏教の正統的で普遍的な内容を研究、紹介するものです。
著者のガムポパ(1079-1153)は、チベットで最も重要な仏教者の一人です。若くして名医となりましたが、愛する妻子の死をきっかけに出家し、カダム派の諸師について修行した後、大行者ミラレパに師事して受法し、修行に専念して大悟しました。そして、アティシャなどカダム派の「道次第(ラムリム)」とミラレパなど大成就者の「大印契(マハームドラー)」が合流した立場を確立し、数多くの弟子を育て、カギュ派の祖となりました。
この『解脱の宝飾』は、「道次第」文献の中でも最も早い時期に書かれ、最も高名で重要な著作で、大乗の仏道全般に渡って、必要十分な理論と実践が提示されています。一切有情の利益を目指す道の基本や構造が、平明・簡潔な形で理解でき、チベット仏教や真言密教に関心を持つ人はもちろん、仏教一般に関心のある人、慈悲や智慧について考える人にとって欠かせないテキストです。仏説すべてを教訓と受けとめて行う道の階梯が、初期仏典から大乗の高名な経論、後期密教のタントラや成就者の口訣に至るまで、種々の高貴な教えにより飾られて、解脱の道が美しく示されています。
悟りへの階梯―チベット仏教の原典『菩提道次第論』
ツォンカパ 著 ツルティム・ケサン・藤仲孝司訳
A5判/420頁/本体2800円+税
ブッダの心髄を伝えるインド大乗仏教の集大成であり、ダライラマ法王の講話の典拠となった大乗の理論と実践の精髄。
本書はアティーシャからの教えを伝えており、チベット仏教では、この教えを受けていない者は一人もいないとさえいえる最大の原典です。その重要性から、すでに太平洋戦争中から翻訳研究が開始されており、部分訳や研究がいくつかあったが、既刊の書籍は二次的な資料や概論が多く、断片的な紹介であったり、誤解を与えるような記述も見受けられます。今回の翻訳は、仏教の伝統継承の面でも、学問的研究の面でも、大きく貢献するものです。
本書の構成は、最初に、典籍の真正さを示すためにアティーシャの伝記と教えが紹介され、次に基礎として、弟子の学び方、師の教え方、師事のあり方、修行のあり方、恵まれた人生をムダにすべきでないこと、段階的に導くことなどが説かれています。小士と共通した道では、死と無常、六道輪廻の苦、三宝への帰依、業と果報を信ずべきことが説かれています。中士と共通した道では、解脱を願うべきこと、四聖諦のうち苦の因果である苦諦と集諦、解脱への道が説かれます。大士の道では、大乗に入る唯一の門である菩提心を起こすべきこと、菩提心を儀礼により受けること、菩薩の利他行としての六波羅蜜と四摂事、止観(冥想)の詳論となり、最後に、真言密教への連結が説かれています。
訳者ツルティム・ケサン氏の紹介
ツルティム・ケサン氏は、幼少の頃出家し、チベット動乱でインドに亡命。
チベット最高峰の学僧たちの末席で経論の読誦、暗記、問答といった学道に励み、伝統の教学を伝授された。
1974年に国際仏教徒協会の招きにより、ダライラマ猊下の命を受けて来日。
京都の大谷大学教授を勤めながら研究を続け、今年定年退職された。
1984年には帰化して白館戒雲の日本名をもつ。
ツルティム・ケサン氏の著作(日本語訳)